井戸 美里
IDO MISATO
教授

私はこれまで日本の美術、特に中世の絵画を中心に研究してきました。美術作品の作者や時代の様式について研究する美術史学は西洋で始められ、日本の美術作品においてもその理論を援用して研究がなされています。一方で、屏風、障子、掛け幅、絵巻物など東アジアに共通する、西欧の壁掛けの絵画(タブロー)とは異なる形態を持つこれらの絵画作品は、「美術」という明治期以降に移入された概念で捉えるには限界があるようにも思われます。こうした大画面の絵画は、それらが用いられた空間と密接に結びつきながら鑑賞されてきたため、作品の受容された場に光を当て、作品の制作背景を明らかにすることが本研究の目的です。社寺や御所、城郭に描かれた襖や屏風などの建築空間とともにある障屏画が主な研究対象です。




研究室では学生たちとどのようなプロジェクトや取り組みを行っていますか?
2023年に関わったミラノのプラダ財団主催の屏風に関する展覧会を皮切りに、「壁」のもつ普遍性に着目し、外国の研究者やアーティストなどとも連携しながら、海外に渡った障壁画の調査や現代の文脈における屏風の存在意義などについても考えています。
ゼミや講義を通して学生とはどのように関わっていますか?
私自身の研究の中心は日本中世の美術ですが、学生たちは自分の関心のなかから日本の美術に関連する研究テーマを見つけて、一緒に美術作品の調査をしたり、必要な史料を読んだりしています。
他にはない京都工芸繊維大学の魅力は何ですか?
プロジェクトの多さは何よりの魅力です。自分の所属するゼミだけでなく、いろいろな分野との連携プロジェクトに参加して、自分だけの世界を切り開いていける可能性がこの大学にはあると思います。
受験生に向けてのメッセージ
受験は大変ですが一つの通過点で大切なのは大学に入ってからの時間の過ごし方です。大学でやりたいことを思い描きながら(必ずしも明確でなくても、いろいろなことに興味を持っていれば大丈夫です)、まずは受験を乗り切って、大学では思い切り自分の道を開拓してください。