
学生インタビュー
手を動かす以外のデザイン
デザイン史研究室 大学院2年竹内 絃
ものを作る、というよりつくられてきた意味を探ることに惹かれたという大学院1年の竹内さん。学部時代はサステイナビリティデザイン研究室に所属し、D-labでのモノづくりから庭園の研究、3Dスキャンなど多様な実践を経験してきました。デザインとの出会い、学びのプロセス、そして進路のことなどを伺いました。
オープンキャンパスで「ここに行きたい」と感じた
↓悩んだ経験から自分の“好き”が見えた
↓大学院での研究テーマに至るまで
↓庭園の感じ方についての研究
↓学芸員の資格取得、資料館バイトでの貴重な経験
↓実技対策は「質感を描く」練習をひたすらに
↓学芸員や劇場企画の道
↓高校生に向けて
↓オープンキャンパスで「ここに行きたい」と感じた
どんな経緯で工繊を志望しましたか?
高校生のときに参加したオープンキャンパスで、デザインや機械分野の学生たちが出展しているのを見て、「面白そう」と興味を持ちました。その時に、直感的に“ここだ”と感じました。他にも絵を描くのが好きだったり、親戚に工繊出身の人がいたりしたことが理由で、工繊に決めました。
悩んだ経験から自分の“好き”が見えた
入学後に苦労したことはありますか?
デザインコースはグループワークの課題も多いのですが、自分がそれまで好きだと思っていたことも、自分よりもっと上手な人がいると自信がなくなることがよくありました。入学してからだんだん自分のしたいことと、実際にやってることの乖離を感じていた気がします。その頃から作ること、手を動かすことよりも、何かについて深くリサーチしたり、思考したりすることのほうが好きかもしれないと考えるようになりました。あとは、「え、工繊ってこんなに知られてないんだ」と大学の知名度に少しショックを受けたことはあります(笑)。
大学院での研究テーマに至るまで
3回生後期にゼミ選択がありますが、ゼミはどのように決めましたか?
学部時代はサステイナビリティデザイン研究室に所属しました。実は学部3年生のときは何がやりたいのか、自分でもあまりよく分かっていなかったんです。工繊にはD-Lab(Kyoto Design Lab)という、3Dプリンターやレーザーカッターなどの最新のデジタルファブリケーション機器が揃った施設があるのですが、ゼミではとりあえずそこで何か作ってみようという時間があって、校内の銅像の頭部の3Dデータを作ったり、椅子を作りに京北まで行ったり、いろんな経験をしました。そして、4年生で行う卒業研究を通して、「課題を解決したいというより、“なぜそれが作られたのか”を深く調べ、考えることをしたい」と気づいたんです。そのため、大学院では研究室を移動し、デザイン史を専攻することにしました。現在は本橋ゼミで、舞台衣装やオペラにまつわる文化研究を行っています。

ゼミで訪れた京北での椅子作り
庭園の感じ方についての研究
卒業研究ではどういったことを研究しましたか?
卒研では、南禅寺にある「無鄰菴」という日本庭園をテーマに研究しました。建てられた経緯や背景を調べつつ、来館者が本当に庭園を楽しめているのか、感情面に焦点を当てた研究を行いました。きっかけは、津田ゼミでD-labの3Dスキャン機材を使って、庭園「清風荘」を記録しに行った時です。その時、3〜5時間ただ庭園に身を置き、情報に頼らずに“感じる”という体験をしたことが研究のきっかけでした。

庭園で3Dスキャンを行う竹内さん
学芸員の資格取得、資料館バイトでの貴重な経験
アルバイトはどんなことをしていますか?
大学の中の美術工芸資料館や、インバウンドの観光客向けに茶道を英語で説明するアルバイトなどをしています。資料館のアルバイトでは、文化財や展示に関わる仕事の裏側を知ることができ、貴重な経験になっています。入学当初は学芸員についてよく分かっていませんでしたが、学芸員に関する授業(博物館学など)が面白そうだったので、どうせ授業を受けるなら資格も目指してみよう!という形で資格も取得しました。4年生の時に1年かけて行った実習では、実際に企画を考え、展示作業をするなど、非常に楽しく、多くのことを学べました。
実技対策は「質感を描く」練習をひたすらに
受験方法や受験対策について教えてください。
前期試験で合格して入学しました。実技対策としては、高校2年の秋ごろから、画塾に通ってデッサンを本格的に始めました。先生がオリジナルの課題を出してくれて、キューブやペットボトルなどを描いていました。物を見ずに描く練習も多かったです。「質感を大事にしなさい」とよく言われていて、実際、鉄の質感を描いた経験が試験当日に活きました。共通テスト後は2日に1回のペースで描いていたので、安心して本番に臨めたと思います。

受験生時代のデッサン
学芸員や劇場企画の道
将来どのような道を考えていますか?
将来的には、美術館の学芸員や、劇場などの文化施設で企画を担当する仕事に就きたいなと思っています。学芸員の道は狭き門だと聞きますが、研究と社会・文化をつなぐ立場に魅力を感じています。教育普及的な活動やキュレーションの領域で、自分なりの役割を見つけていきたいです。
高校生に向けて
受験生や保護者の方にひとことお願いします
安心して来てください。ものをつくるだけじゃなくて、考えたり、調べたり、つながりを発見することに興味がある人にも、工繊はとても向いている大学です。いろんなスタイルのデザインが受け入れられる場所なので、自分のペースでじっくり向き合えます。