
学生インタビュー
「誰か」のためのデザインへ
製品デザイン計画研究室 大学院2年齊藤 佳祐
「最初は“自分のやりたいデザイン”をやるつもりだった」。そんな斎藤くんが、学部4年間を通して見つけたのは、“社会課題に向き合うためのデザイン”でした。プロダクトデザインを軸にしながら、空間・グラフィック・マネジメントまで横断して学び、現在は大学院でさらに研究を深めています。大学での学びや制作、受験期のことなどを語っていただきました。
テクノロジー×デザインに惹かれた
↓思い描いていた通りじゃなかった。でも、それがよかった。
↓学び合いの場としてのゼミ
↓「誰かのため」のデザイン
↓実技対策は“息抜き”のような感覚で
↓プロダクトデザインの道へ
↓高校生に向けて
↓テクノロジー×デザインに惹かれた
どんな経緯で工繊を志望したんですか?
工繊を知ったのは高校3年の春でした。デザインが学べる国公立を探していて、D-Lab(Kyoto Design Lab)の存在や、テクノロジーとデザインの両立ができる環境に惹かれたのがきっかけです。建築にはもともとあまり興味がなくて、最初からデザイン志望でした。デザインに関心を持つようになったのは、佐藤オオキさんというデザイナーさんのプロダクトの作品を見たことがきっかけです。
思い描いていた通りじゃなかった。でも、それがよかった。
入学前のイメージと違ったこと、ありますか?
入学当初はちょうどコロナ禍だったので、思い描いていた“大学生活”とは少し違いました。最初はやりたかったデジタル系のこともなかなか取り組めず、少し物足りなさもありました。でも今振り返ると、プロダクト分野だけでなくプレイスやビジュアルなど他分野の要素を学んだ経験が、結果的に今の制作にもつながっています。デザインの専攻を決めきれずにいた自分には、ちょうどよい幅広さだったと思います。
学び合いの場としてのゼミ
特に印象に残ってる授業やプロジェクトってありますか?
印象に残っているのは、学部の頃に取り組んだ岩をテーマにしたキッズチェアのプロジェクト。空間に置かれたときの存在感を意識して設計しました。また、家具メーカーと連携した産学プロジェクトにも参加し、ブランディングや未来洞察、デザインマネジメントなど幅広い視点からデザインに向き合う経験ができました。僕が所属している木谷ゼミは、M1・M2の先輩と一緒にプロジェクトを進めていくスタイルなので、先輩の考え方やアプローチを間近で学べる貴重な環境です。

原寸大で出力した椅子のプロトタイプ
「誰かのため」のデザイン
卒業研究ではどんなことに取り組みましたか?
卒業研究では、災害時の食をテーマにした備蓄型栽培キットを制作しました。災害時の食事と精神的な安定に着目し、「食文化」という視点から社会課題にアプローチしたいと考えたのが出発点でした。文献を読み込んだり、ゼミで毎週フィードバックを受けたりしながら進めましたが、机上だけでは分からないことも多く、実際に能登半島のボランティアに参加して現地の方々の話を聞いたことで視点が広がりました。「野菜が不足している」という実際の声から発想を深め、学校などでも育てられる栽培キットのプロダクトデザインへとつなげていきました。真空成形やNC加工機などは、D-labの機材をフル活用して制作しました。最後の1ヶ月は特に詰め込んで頑張ったのですが、やり切ったこと以上に、誰かのために全力で取り組めたことが、自分の中で一番の成果だったと思います。もともとは自分がやりたいデザインをやることにこだわっていた自分が、そこから少し変わったように思います。

災害時の食をテーマにした備蓄型栽培キット
実技対策は“息抜き”のような感覚で
受験方法や受験対策について教えてください。
前期試験で入学しました。実技試験については、美術の先生に過去問を見せたり、課題をもらったり、デッサンの本を4〜5冊買って勉強したりしていました。YouTubeでもデッサンの描き方を学びました。英数の二次対策の間の息抜きのような感覚で取り組んでいた部分もあります。受験当日は、共通テストがそこそこ良かったことと、実技もある程度は準備していたので、不安はそこまで感じませんでした。

受験生時代のデッサン
プロダクトデザインの道へ
将来のビジョンは?
プロダクトデザイナーとして働きたいと考えています。興味があるのは、精密機械や腕時計のデザイン、おもちゃのプロダクトなど。まだ模索中ですが、自分の“好き”と“社会との接点”をどう結びつけられるかを大切にしたいと思っています。
高校生に向けて
最後に工繊の魅力を最後に教えてください。
国立でデザインを学べるということがまず魅力かなと思います。あとは京都という土地の文化や伝統工芸も新鮮で刺激的です。私は北海道出身なので、京都のものづくり文化や空気感がとても新鮮に感じられました。そして、僕自身もたくさん利用しているD-labですね。国内で見ても最新の機器を取り揃えていて、本当に魅力的です。ぜひオープンキャンパスで見てみてください。

KYOTO Design Lab